
タケウチと「庭」を通してつながる人たちの想いをたどりながら、それぞれの視点で「庭と緑のある暮らし」についてお話しするコーナー。
初回は、ガレリア北側のドームテントでピラティスサロン『Solia』をオープンされた、オーナーの古財彩乃さんです。
- 今日はよろしくお願いします。
古財さん
「こちらこそ、このような機会をいただきありがとうございます」
- 古財さんは、もともと医療の現場にいらっしゃったんですよね。
古財さん
「はい、 昨年まで約15年間、理学療法士としてリハビリの現場で働いていました。
様々な患者さんと向き合う中で、身体に不調が起きてから病院にかかるのではなく、不調が起こる前にケアすることの大切さ、『予防』や『自分で整える力』の大切さを痛感するようになったんです。今回のサロンオープンにはその想いが核になっています」

ガレリア北側エリアのドームテントで『Solia』をオープン。緑いっぱいのガーデンから~木陰がなんとかかんとか~。
『健康』のその先にある
暮らしや生き方を豊かにしていくこと。
- ピラティスについて、改めて教えてください。
古財さん
「最近は若い女性を中心に広がっていますよね。お客様にも、「若い方がやるものでしょう」と言われます。でも、ピラティスはもともと戦争で傷ついた兵士のリハビリを目的に考案されたもので、年齢を問わず取り組めます。
身体のバランスを整えて、運動能力の向上や将来の不調予防にも役立てます。自分の身体の状態を知り、正しくコントロールできるよう導くものなんです」
- ご自身もピラティスに通っていたんですか?
古財さん
「そうなんです。以前は、病院で働きながら家事と育児にも追われ、気付けば自分の健康を後回しにしていました。息子たちも『鬼ごっこしよう!』なんて誘ってくるんですが、疲れていると思うようにいかない。
家族のためにも自分が健康でいなければ! という危機感でピラティスに通い始めたのですが、やればやるほど奥深くて。「あ、これは勉強しよう」と。「これだ!」という感覚がありました。もっと学んで、多くの方の健康をサポートしたい、と思うようになったんです。
- 医療の現場で感じた課題の答えが見つかったんですね。
古財さん
「はい。理学療法士として私が求めていたものはこれだ! という感じでした。
「ピラティスインストラクターは民間資格ですが、私は理学療法士の国家資格も持っているので、解剖学、生理学、運動学などの医学的知識もとに指導しています。
こちらから一方的に『教える』のではなく、参加者であるお客様の状態に合わせて変化させたり、その場で生まれる対話を通して、発見や解決を共創していくことを大事にしています。同じお客様でも、その日の体調に合わせてプログラムを組み立てるパーソナルなものなので、私のサロンでは、レッスンではなく『セッション』と呼んでいます。
身体機能が改善すると、身も心も活動的になれて、生きる意欲やQOLの向上にもつながりますよね。『健康』になることそのものが目的なのではなく、その先にある暮らしや生き方を豊かにすることが、ピラティスを通して私が伝え、実現していきたいことです」

自分の身体の状態に気付くと、
普段の生活も意識が変わる。
- 今回はじめての開業ですよね。ガレリアの環境はいかがですか。
古財さん
「竹内克己常務の知人の方に紹介していただいたご縁からだったのですが、正直、この環境だったから開業を決めました。大きな木に囲まれて、交通量が多い飛田バイパス沿いとは思えない静かな環境ですよね。非日常の時間が流れる場所だから、お客様にも自分自身の身体と向き合うことに集中していただけるだろうと感じました。それから、『ウェルネス・ガーデンライフ(庭や緑の空間を活用した、心身ともに豊かな生き方)』の実現を目指すガレリアのコンセプトにも共感しました。人のQOLや生活の質を上げていく、という部分で、ピラティスと庭空間がリンクしましたね。ウェルネス・ガーデンライフの『健康』の領域を担えるのではと思っています」
- 『Solia』のセッションでは、どんなことをするんですか?
古財さん
「種類として大きく分けると『マットピラティス』と『マシンピラティス』があるんですが、当店ではお客様の身体の状態に合わせて、両方を組み合わせてエクササイズを行っています。
マットピラティスは、自分の身体を自重の中で、自分の身体感覚のみでコントロールしていきます。マシンピラティスでは、マシンのバネを使って補助や抵抗を調整しながら身体を動かし、負荷をかけたり、逆に負荷を軽くしたり、動きのスピードを変えたり、お客様個人の身体の状態に合わせて難易度を調整します」
古財さん
「ピラティスは、第一次世界大戦の頃のドイツが発祥です。従軍看護師だったジョセフ・ピラティス氏が、負傷兵のリハビリ目的で考案したエクササイズが起源です。ピラティスの本質は、『コントロロジー』。『自分の身体を自分でコントロールできるようになる』こと。そのために、まず自分の身体の状態や癖、不調の原因などに「気付く」ことが第一歩です。今どんな状態なのか、普段どんな姿勢なのか、どのように身体を扱っているか、得意な動きは、苦手な動きは……。そんな気付きを得ると、普段の生活でも意識が変わってきますよね。セッションを通してお客様の姿勢や不調を見ていくと、その方の生活が見えてきます。そのことに、お客様ご自身が気付かれることが多いですよ」
自然保育でのびのび育つ 子どもたちから教わること。

- プライベートでは、男の子ふたりのお母さんでいらっしゃいますよね。お子さんとの暮らしはいかがですか。
古財さん
「ふたりとも本当に元気です! 長男も次男も、自然保育の幼稚園に通わせているんですが、面白いですよ。山の中で過ごしていて、野菜を収穫してその場で食べたり、池でオタマジャクシを捕まえてきて、カエルになるまでの過程を観察したりしています。息子は、ドングリを拾うとまず冷凍庫に入れるんです。理由を聞くと、『凍らせればドングリ虫が出てこないから』だと」
- 面白いですね!
古財さん
「教えてない野菜の名前もたくさん知っているし、自然の中でいろんなことを学んでくれています。もちろん危なっかしいこともあります。『木苺を採ろうと思って崖から落ちた』と擦り傷まみれで帰ってきたことも。でも子どもたちは、危ないことを身をもって知って、その環境に合わせた身体の使い方を覚えていく。それが大事だと思うんですよね」
- コンクリートジャングルで育った子は転び方がわからない、という話を聞いたことがあります。
古財さん
「そうそう。危ないからといって手を出しすぎないようにしたいと思っています。息子たちは、公園に連れて行ってもあまり遊具で遊ばないんですよ。何するかと思えば、兄弟で草相撲をしたり、雑草を引っこ抜いて砲丸投げ対決をしたり。昭和の田舎の遊びかな?と思いますけど(笑) 草スキー場でも、そりを使わず生身でゴロゴロ転がっていきます。道具がなくても、自分の身体を使って体験する。例えば、遊具も何もない原っぱに放り出したときに、自分で想像して遊びを創っていくことができる。自然の中での遊びは、そんな創造力、チャレンジ精神、好奇心の成長を育んでくれています。これって大人になっても大事なことですよね」
- そんな元気いっぱいの子どもたちのためにも、元気でいないといけませんね!
古財さん
「主人が仕事で不在にすることも多いので、家事をしながら子どもたちの相手も一人でするんですが、本当に体力勝負です。子どもに食べさせるもののバランスなども気を遣っています。今後は栄養学もより深く学んで、お客様の健康にも還元していけたらと思っています」
企画・編集:黒木
Profile
古財 彩乃(こざい あやの)さん

熊本県出身。理学療法士としてリハビリテーションの現場に15年間務めたのち、2026年1月、ピラティスサロン『solia』をGALLERIA敷地内にオープン。『より多くの方々の健康をサポートし、その先にある暮らしや生き方を豊かにする』をモットーに、医学的知識と経験をもとにしたセッションを実施。オープン直後から予約枠が満員になるなど人気に。
Instagram:@solia_pilates
