
お庭とエクステリアに宿る、
暮らしを支える5つの力。
こんにちは。
庭や緑を入口に、“暮らす”ということを丁寧に見つめる読みものシリーズ【庭と暮らしのジャーナル】。
4話目の今回は『ガーデン』『エクステリア』という住まいの外まわりの空間が、私たちの暮らしにどれほど影響を与え、人生を豊かにしてくれるのかを、多角的な視点からお話ししてみたいと思います。
私たちが毎日を過ごす『住まい』は、壁の内側だけで完結するものではありません。
玄関を出た先のアプローチ、季節の風が通り抜ける庭、植物が息づく足元の花壇――それらは、思っている以上に心や体の状態、時間の質、家族の交流に深く関わっています。
= 目次
(1)心と体を癒す『心理的・医学的な力』
― 人は本能的に自然を求める”バイオフィリア仮説”
(2)仕事の生産性を高める『経済的な力』
― 働き方を変える ガーデンオフィス
(3)子どもの成長を育む『教育的な力』
― 言葉ではなく五感で世界を理解する
(4)家族と地域社会をつなぐ『社会的な力』
― 庭や外構が守る、家族と地域社会のつながり
(5)人生の満足感を高める『精神的な力』
― たくさんの力が、人生の満足感を支えてくれる
心と体を癒す
『心理的・医学的な力』

人は本能的に自然を求める
“バイオフィリア仮説”
人間は本能的に自然を求め、心身の健康や幸福感を得ている――そんな人間の心理的傾向を『バイオフィリア仮説』と名付けて提唱した、アメリカの生物学者がいます。
建築やデザインの分野では、この仮説をもとにした空間デザイン(バイオフィリックデザイン)が取り入れられることも増えています。
庭空間や緑が豊富な住まいは、ストレス軽減や生産性の向上に直接働きかけ、日々の暮らしの質が高まることがわかっているのです。
仕事の生産性を高める
『経済的な力』

働き方を変える
ガーデンオフィス
世界16か国のオフィス環境を対象に、バイオフィリックデザインの影響を検証したロンドンの心理学教授らの研究によれば、
緑や自然光などの要素を取り入れたオフィスでは、幸福度が15%、生産性が6%、創造性が15%も向上すると報告されています。
コロナ禍を経て、庭は「ワークスペース」としての新しい価値も見出されています。
自然光と緑に囲まれた環境は集中力を高め、創造性を引き出し、ストレスをやわらげてくれます。
『ガーデンオフィス』は、仕事と暮らしの調和を生む、これからの働き方のひとつの形かもしれません。
子どもの成長を育む
『教育的な力』

言葉ではなく五感で
世界を理解する
子どもたちの外遊びの時間が減った、と言われる現代ですが、自然体験が子どもの成長に与える効果は、やっぱり他では代えがたいものがありますよね。
『外遊び』という行為を通して、注意力や集中力が高まり、バランス感覚や協調性も大きく伸びていきます。
自然の中で小さな挑戦を重ねることで、問題解決力やリスクを判断する力も育まれます。
自分がどのように関われば目の前の自然を維持でき、そしてどのように振舞えば自然を壊してしまうのか。花や虫たちとの触れ合いで、生命の尊さも学ぶでしょう。
庭はまさに、自然界そのもの。
遊び盛りの子どもたちが、言葉ではなく五感を通して世界を理解していくための、最高の『教育の場』と言えるような気がしています。
家族と地域社会をつなぐ
『社会的な力』

庭や外構が守る
家族と地域社会のつながり
「家庭」という言葉は「家」と「庭」で成り立っています。
家族にとって庭は、おじいちゃんおばあちゃんから子どもまでが世代を超えて集い、肩ひじ張らない会話や交流が生まれる場所です。
庭先で野菜や果物を育てれば、子どもたちにとってはそれがそのまま「食育」となり、食や自然への関心も育まれます。
四季を感じながら過ごす時間は、家族の絆をより深めてくれるでしょう。
そして庭や外構は、家の内側だけでなく地域とのつながりにも働きかけます。
手入れの行き届いた植栽や、さりげない季節の飾り、暗い夜に灯るライティング――そうした外まわりの気配は、ご近所の方に安心感や好意的な印象を生み、ちょっとした挨拶や会話のきっかけにもなります。
そうした小さな交流が積み重なることで、
ご近所さんが自然に家族を気にかけてくれるようになったり、地域の中で「見守られている」という温度のある関係が育っていきます。
庭は家族をひとつにする場所であると同時に、
地域社会の中での家族を守る、住まいの顔でもあるのです。
人生の満足感を高める
『精神的な力』

たくさんの力が、
人生の満足感を支えてくれる
庭や外構がもたらす力は、ひとつではありません。
心を癒し、仕事に集中できる土台をつくり、子どもの成長を支え、家族や地域とのつながりを豊かにしてくれる。
それぞれは別々の価値に見えて、実はすべてがゆるやかにつながっています。
こうした力が重なり合うことで、私たちは暮らしの中に、安心感のある満たされた時間を積み重ねられるようになります。
朝の光で気持ちがほどける瞬間、
仕事の合間に庭を眺めて呼吸が整う感覚、
子どもの成長と季節の巡りが重なって見えるとき、
ご近所の方との挨拶で自然と笑顔が生まれる、やわらかな関係性。
それらすべてが、
「この暮らしでよかった」という静かな充足感へとつながっていきます。
庭があるから劇的に人生が変わる、とはもしかしたら言えないかもしれません。
けれど、庭があることで日々の景色が少しずつ豊かになり、その積み重ねが『人生の満足感』そのものをゆっくり底上げしていく。
その力こそが、外構・エクステリア・庭が持つ最大の魅力なのだと思います。

『ガーデン』『エクステリア』は、
心と体を癒す『心理的・医学的な力』
仕事の生産性を高める『経済的な力』
子どもの成長を育む『教育的な力』
家族の絆を深める『社会的な力」
人生の満足感を高める『精神的な力』
を併せ持つ、人生を豊かにする空間だと思うのです。
私たちは、ガーデン・エクステリアのプロとして、その無限の可能性をお客様と共に形にしていくことを使命としています。
企画・編集:若柳/黒木

庭と暮らしのジャーナル
暮らしの中の小さな気付きやヒントを綴る読みものシリーズ【庭と暮らしのジャーナル】。庭や緑を入口に、“暮らす”ということを丁寧に見つめる時間をお届けします。
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