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福岡店
【読みもの】コロナ禍で気づいた“お庭の力”と、その後の暮らし。

コロナ禍を経験して変わってきた
お庭とわたしたちの暮らし
コロナ禍を過ごしたあの日々から、気づけばもう何年も経ちました。
気がつけば街はにぎわいを取り戻し、私たちの暮らしもいつの間にか元のリズムへと戻っています。
朝から晩まで予定に追われ、家事に仕事にと、また慌ただしい日々。
「あれがもう5年前か…」なんてふと気が付いて、時の流れに驚いたりして。
けれど少し立ち止まって振り返ってみると、あの時間を経たからこそ、私たちの暮らしの価値観は確かに変わったように思います。
外出を控え、会いたい人にも気軽に会えなかったあの日々。
リビングとキッチンと寝室を行き来するだけで一日が終わってしまうような閉塞感。

そんな中で、ふと窓の外に目をやったとき。
お庭やベランダという「外の空間」が、思っていた以上に心を和ませてくれることに気付きました。
ウッドデッキに腰かけて夕涼みを楽しんだり、ちょっと花を植えるだけで気分が変わったり――。
お庭が、「ただの外の空間」ではなく、「家族と過ごす大切な場所」になっていた――そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

「庭で子どもたちが鬼ごっこをしているのを見ていると、笑い声が風に広がって…その景色が本当にうれしいんです」
「旅行に出かけられなくても、デッキチェアに腰かけて夕日を見ているだけで、ちょっと非日常を味わえるんですよ」
「家の中に親戚を呼ぶのは気をつかうけど、外のスペースなら気楽に集まれて、みんなでおしゃべりできるのが幸せで」
そんなお声を、実際にたくさんいただきました。
リビングからほんの数歩の場所が、家族をつなぎ、心をほぐしてくれる大切な居場所になっていったのだと思います。

家にいる時間が長かったことで気付いた
暮らしの中の小さな後悔
その一方で、正直なところ「もう少しこうすればよかった…」という後悔の声もありました。
新築するとき、コスト面を抑えたくて駐車場を少し狭くしたら、車の乗り降りが思った以上に窮屈で…。
毎日使う場所だから、ちょっとのことがすごくストレスになっている。
雑草対策を後回しにしてたら、あっという間に草が広がってしまっていて。
なんとなく見て見ぬふりしてたけど、リビングにいる時間が長いと目について気になってしまって。
窓を開けてお茶でも、と思っても、外からの視線が気になって落ち着かなくて…。
洗濯物を干すだけで、結局デッキにもあまり出なくなってしまっていた。
家にいる時間が増えたからこそ、こうした小さな不便さが浮き彫りになったのかもしれません。
庭や外構は日々の暮らしに直結するだけに、住み始めた当初の “小さな妥協” が、毎日の不便や後悔に変わってしまうこともあるんです。

今求められている、
お庭や外構の在り方。
さて、コロナ禍が明けた今。
旅行やお出かけに心が向く方が増え、外構工事のご相談は一時期ほどの熱気は落ち着きを見せています。
けれど外構のご相談をいただくと、その分だけ「こだわり」や「長く愛せるものを」という想いが、コロナ禍以前よりも強く込められているように感じます。
最近人気なのは、木目調のあたたかみを活かしたデザインや、グレーとベージュを組み合わせた上品な“グレージュカラー”。
さらに、日本の侘び寂びと北欧のシンプルさをかけあわせた“ジャパンディスタイル”も注目されています。
自然素材を大切にしながら、飽きずに暮らしに寄り添ってくれる外構スタイル――それが、今の時代が求める心地よさなのだと思います。

便利さや華やかさだけではなく、安心して心を落ち着けられること、そして家族と長く共にできることに価値を見いだす方が増えました。
四季の移ろいをそっと映し出しながら、何年経っても「やっぱり心地いい」と感じられる場所
そこには、心を休める静けさがあり、体を整える健やかさがあり、そして世代を超えて受け継がれる安心感があります。
お庭や外構は、まさにそうした“心と暮らしのよりどころ”へと役割を広げてきているのではないでしょうか。

日々の生活に静かな安心感をもたらし、季節の移ろいをそっと映し出してくれる空間こそが、これからの暮らしに欠かせない豊かさなのかもしれません。
手の届く範囲から
日常を愛していく。
もちろん、すべてを大がかりに変えなくても大丈夫。
足元にソーラーライトを添えたり、カラーリーフをひと鉢加えるだけでも、お庭の表情はぐっと豊かになります。
何気ない日常の中で「あ、きれい」と心がほどける瞬間――そんな小さな喜びこそ、暮らしを彩る大切なひとときですから。

これから外構を考える方には、成功の声も、ちょっとした後悔の声も、どちらも知っていただきたいと思います。
そのうえで、ご家族に合った形をじっくり選んでいけば、きっと長く愛せるお庭になるはずです。

お庭は、家族の思い出をそっと包み込んでくれる場所。
だからこそ、後悔のないように、心から愛せる空間にしていただきたい――そう願っています。
そして私たちは、これからも皆さまの想いに寄り添いながら、理想の暮らしを形にするお手伝いをしてまいります。
企画・編集 竹内/中嶋/黒木