
土に触れる心の整えタイム
手のひらからはじまる 小さな幸せ
最後に「土」に触れたのはいつだったでしょうか。
慌ただしい毎日を過ごしていると、土に触れるという習慣は、いつの間にか暮らしから遠ざかってしまいがちかもしれません。でも、もし機会があれば…… 少しだけ、土に触れたその感覚を想像してみてください。
もし今、お庭に出て、指先でやわらかな土に触れているとしたら……。それだけで、だんだん心がほぐれていく感じがしませんか?
湿り気を含んだ土の感触やにおい、季節を感じる花や草木の香り、時折足元で動く小さな虫の気配。
スマホの通知や、終わらない家事など、やることに追われて頭の中まで忙しい毎日でも、土を触っていると、いつのまにか五感に意識が戻ってきて、気持ちが静まっていきます。
実は、土に含まれる微生物には、心を落ち着けるホルモンの分泌を助ける作用があると言われています。
今日は、そんな「土に触れる時間」がくれる小さな幸せについて綴ってみたいと思います。
= 目次
(1)土に触れる「心の休憩時間」。
― 自然のペースで「待つ」時間が
家族と自分にもたらすゆとり。
(2)自分を癒すための「小さな畑」
― 「家庭菜園」がくれるよろこびの積み重ね
(3)自分だけの「小さな庭」を持つ
― プランターひとつからはじまる、
あなたを癒す「小さな庭」。
(4)大人のための「土」との付き合い方
― 忙しい思考を小休止。自分をご機嫌にするための時間。
(5)もっと土を身近に。『体験型農園』という選択肢。
― 土の恵みをまるごとたのしむ『ガレリアファーム』
土に触れる「心の休憩時間」。

自然のペースで「待つ」時間が
家族と自分にもたらすゆとり。
土に触れる時間は、大人にも子どもにもいい影響がたくさんあるんです。
子どもたちと一緒に花や野菜の種を植えて、どんな芽が出るか楽しみにしたり、生長を観察して一緒に喜んだりする。
そんなやり取りが、家族の笑顔や会話につながる。
たとえ思い通りに育たなくても、自然のペースに合わせて「待つ」「見守る」「やり直す」を重ねていくうちに、気付けばこちらの心にまで、ゆとりが生まれていたりします。
大人にとっても、土と向き合う時間は大切な「心の休憩」です。
ガーデニングや菜園で手を動かしていると、いつの間にか無心になって、没頭している自分に気づくことはありませんか?
そんな時間をちょっと持つだけで、頭の中が落ち着いて、意識しないうちに呼吸が深くなっていきます。
自分を癒すための「小さな畑」

「家庭菜園」がくれる
よろこびの積み重ね
お庭やベランダの隅にひとつのプランターを置いて、「小さな畑」をつくってみるのはいかがでしょうか。
立派な菜園でなくてもいい。ひとつのプランター、ひとつの苗。そんな小さな「自分だけの畑」が、暮らしのリズムを驚くほど優しく変えてくれます。
ひんやりした朝の空気に包まれて水をあげ、光るしずくの中に昨日より伸びた芽を見つける。夕暮れ時には、夕日を浴びる野菜を眺めて今日を振り返り、「晩ごはんに添えよう」と摘み取ってみる。指に残る土の香りとみずみずしい感触――。それは単なる作業ではなく、自分を癒すための大切な時間です。
「あ、芽が出た」「少し実が赤くなってきたかな?」
植物を育てることで生まれる「小さな変化への気づき」は、慌ただしい毎日に確かな喜びを届けてくれます。
自分で育てた野菜を食卓に並べるのも、この上ない贅沢です。
「これ、やっと収穫できたんだ」「おいしいね」なんて会話しながら食べる食事は、あたたかで、穏やかな時間が流れるはず。
まずは、キッチンハーブひと鉢から、はじめてみませんか?
自分だけの「小さな庭」を持つ

プランターひとつからはじまる、
あなたを癒す「小さな庭」。
お庭がなくても、あきらめる必要はありません。
ベランダや玄関先にプランターをひとつ置くだけで、そこはもう、あなたを癒す立派な庭になります。
例えば、毎朝のお弁当に彩りを添えるミニトマト、ちょっとずつお料理に使いたいバジルやパセリ、摘みたてを紅茶に浮かべるミント……。
毎日少しずつ育つ姿を眺めるだけでも、心がほぐれます。
プランター菜園は、もっとも身近で手軽にできる、自分を整えるための「小さな習慣」。
育てる楽しみを重ねるうちに、いつしか自然への愛着が深まり、道端に咲く草花の変化にも気付けるような、丁寧な観察力が宿っていることでしょう。
大人のための
「土」との付き合い方

忙しい思考を小休止。
自分をご機嫌にするための時間。
日々のタスクに追われ、頭の中が常にフル回転。大人になると、そんな「脳が休まらない毎日」が当たり前になってしまいます。
だからこそ、あえて時間を作って土を触る。それは、誰のためでもない、自分を一度リセットするための時間です。
土は、私たちを急かしません。
焦らず、どっしり、自然まかせ。そんな当たり前だけど忘れがちなことを、手のひらを通じて思い出させてくれます。
家族で苗を植える時間も、高尚な教育のためというより、もっと等身大なもの。
「芽が出た!」「虫がいた!」と笑い合ったり、驚いたり。 そんな不格好で飾らないやり取りが、家族の空気を柔らかく耕してくれるのだと思います。
朝の光の中で、みずみずしい葉に触れること。雨上がりの、どこか懐かしい土の香りをかぐこと。昨日まではなかった小さな芽が、ひょっこりと顔を出した様子を見守ること。
立派な庭や完璧なお手入れは、二の次でいい。 自分をちょっとだけ「ご機嫌」にするための、小さなプランターや庭の土。
手の届くところにある“心の庭”が、あなたの日常に、心地よい余白を届けてくれますように。
さあ、明日はすこしだけ、土に手を伸ばしてみませんか?
その一歩が、明日のあなたを、少しだけ軽くしてくれるはずです。
もっと土を身近に。
『体験型農園』という選択肢。

土の恵みをまるごとたのしむ
『ガレリアファーム』
もし、もっと広い空の下で土に触れてみたいなら、
熊本市北区の体験型貸農園「ガレリアファーム」へ足を運んでみませんか。
ここは、誰もが気負わず家庭菜園を体験できる場所。
畑の準備は整っているので、道具や知識がなくても、初心者の方でも安心してスタートできます。
子どもたちとはしゃぎながら収穫のよろこびを分かち合ったり、仲間と一緒に作業したり。時にはひとりで静かに土と向き合い、自分自身をリセットする時間を過ごすものおすすめです。
ガレリアファームで、あなたの日常をの豊かさをひろげてみませんか?
企画・編集:竹内/黒木

庭と暮らしのジャーナル
暮らしの中の小さな気付きやヒントを綴る読みものシリーズ【庭と暮らしのジャーナル】。庭や緑を入口に、“暮らす”ということを丁寧に見つめる時間をお届けします。
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