お引渡しの直後、ほとんどのお客様は「植物がもっとしっかり植わっていて欲しい」と思われるのではないでしょうか。けれど、植木に関しては将来に完成する姿(およそ五年後)を思い描いて私たちは施工をさせて頂いております。そこで先ず、私たちが仮の姿で引き渡した植物たちを、お客様が本当に美しい形に仕上げるための、お手入れの方法をお話したいと思います。

1. 庭木の水やり

(1)目的
植物は根から水分を吸収し、葉からの蒸散作用によって水分を放出しています。日照りなどによって吸収より蒸散の方が上回ると、葉が萎縮し落葉し、枯れてしまいます。樹木が正常な生育をしていくためには、蒸散と吸収のバランスが保てるよう、水やりをすることが必要です。
(2)方法
水やりは、回数は少なく一度にたっぷりが基本です。葉や茎には適当な湿り気を与える程度にして下さい。ただし夏場、直射日光の強いときに葉に水をかけると水滴がレンズの役目をして葉が焼けてしまいますから、葉には絶対にかけないようにして下さい。
【水の量は夏は多く、冬は少なく】
夏場 (7月~9月)の水やりの量の目安としては、植え込みの場合、1㎡当り10㍑です。水道の蛇口を全開にして1分間程、放水し続けて下さい。植え付け直後は、1日に2回の水やりが必要です。朝方は午前9時まで、夕方は午後5時以降に行ってください。
冬場 (12月~3月)は、晴天が続いたとき以外、水やりは必要ありません。ただし、植え付け直後の常緑樹は、冬場でも水が必要です。冬場の水やりは日中(午前10~午後2時まで)に行ってください。夕方に水をやると、夜半の冷え込みで水が凍り、根を傷める場合があります。

また樹木の生長に応じて水の量を減らします。樹木が土に完全に根付いた頃(植え付け後2年位)からは、夏場、又はよほど晴天の日が続いたとき以外、水やりの必要はありません。その頃になると、水のやりすぎは、根の腐る原因となります。ただし、プランター、花壇、ハンギングバスケットなどは、土の量が少ないため、定期的な水やりが必要です。屋上やベランダは、条件が違いますから、別の項目で取り上げます。

2. 施肥について

(1)目的
肥料を与えなかったために樹木が枯れるということはありません。しかし、樹木の体質を強化して、丈夫な樹木に育て上げるためには、その成長過程で肥料を与える必要があります。
(2)方法
植え付け後1年は肥料を与える必要はありません。根がしっかり張る前の樹木に肥料を与えると、根が傷み、樹木が弱ってしまうこともあります。肥料は植え付け後2年目の冬からやり始めてください。冬場(12月~2月)に与える寒肥は、春の芽出しを助け、その後の生育を盛んにするために施します。肥料には油粕や鶏糞など遅効性のものを選んでください。
【玉物及び寄せ植え】
地面に肥料を散布し表面の土をよく混ぜる。肥料は一度にやりすぎないこと。花を観賞する樹木は、翌年もよい花を咲かせるために花がすんだ後で、肥料を与えてください。(お礼肥といいます)

3. 樹木の刈り込みや剪定

(1)目的
生垣は刈り込むことによって目をつまらせ、目隠しの効果を大きくします。日当たりや風通しを良くすることで、病気・害虫がつきにくくなります。

(2)刈り込み、剪定の時期
針葉樹=10~11月頃と春先
常緑樹=春の新芽が伸びる5~6月頃と生長が休止する9~10月頃
落葉樹=新緑が出揃って葉が固まった7~8月頃と落葉後の11~3月頃
ただし、花木の場合には、より多くの花を咲かせることが目的となりますから、花芽の分化時期と位置に注意して剪定する必要があります。

4. 病気・害虫対策

(1)時期・回数
病気や害虫の発生時期は、それぞれの病原菌、害虫の種類及び天候状態などにより異なるため、防除の時期は一定ではありません。又、使用する薬剤も多種多様ですから、弊社に問い合わせてください。

(2)方法
作業はなるべく涼しい時間帯に行ってください。散布量は、指定の濃度に正確に希釈混合したのを、枝葉の表裏両面に細かい水滴が着く程度にむらなく均一に散布してください。ボタボタと水滴が落ちるほど散布してはいけません。作業時には、風下から風を背に受ける形で、風上に向かって歩くように散布してください。雨模様の時や、日照りが続いたとき、及び強風のときには、作業を控えてください

5. 支柱設置と取り外し

(1)支柱設置の目的
支柱は樹木を植栽したときや移植をしたときなど、まだ根が十分にはっていないとき、強風などにより、新しく張り出した根が切断されたりする被害を防ぐために設置します。
(2)取り外し時期
支柱を長い間設置しておくことは、美観上も好ましくないばかりでなく、樹木に食い込んだり竹の支柱などでは支柱そのものに腐りを生じてきます。ですから、樹木が自立して生育できるようになったら取り外してください。取り外し時期は、幹周り15㎝のもので大体6年目位を目安にしてください。

6. 芝生管理

芝生のメンテナンスには、芝刈り・施肥・病害虫駆除・目土掛け・エアレーション・ブラッシング・水やりなどがあります。

(1)芝生の美しさは管理しだい

現代の庭には芝生が多く使われるようになりました。芝生の美しさは管理にかかっています。ていねいに刈り込みをし、いつまでも緑の絨毯といわれる美しさを保ってください。

(2)芝生専用の除草剤はどうやって使うの?

まず芝生は雑草に弱い植物で一度雑草が生えると芝生は雑草に場所を譲ってしまい、雑草が冬に無くなるとそこが裸地になり、雨水が溜まって水溜りなります。雑草の防除には除草剤が不可欠です。効果的な防除は、イネ科雑草の発芽抑制で、それは3月に土壌処理の粒剤(例えばバナフィン粒剤)や水和剤を散布し、夏の広葉雑草退治には液剤タイプ(例えばMCPP液剤)で駆除し、特にクローバーが入り込むと芝生が弱るためMCPP液剤で完全に駆除します。注意として、夏季での液剤タイプの散布後は1週間~10日間位は芝刈りを中止して下さい。あと液剤の例えばバスタ剤は冬でも休眠していない雑草を1月に散布すれば駆除できます。それと薬剤を使用するときは、必ず添付の説明書きを読みそれに従って使用してください。

(3)芝刈り

高麗芝・野芝の場合、5月中旬から10月中旬にかけて、年間7回程度は芝刈りをしてください。又、秋から翌春にかけて生育する越年生雑草が多く発生した場合は、冬期刈り込みをして、雑草の結実を防いでください。西洋芝の場合は、4~6月と10~11月が芝刈りに適しています。刈り込みの高さは、春、芽が出る時期には枯葉の除去もかねて低く刈り込み、生長にあわせて、徐々に高くしていき、期間中2~3㎝の刈り込み高を保ってください。芝草は、直立茎が長く伸びた後に刈ると葉が除去され、外見上美しくないだけでなく、踏み圧に弱くなります。刈り込みによる葉の除去は定芽を残し、現在の葉の2/3は残すようにしてください。

(4)芝生の施肥

美しい芝生を長期間維持していくためには、年3回以上の施肥が必要になります。
1回目 晩秋に耐寒性を強め春の芽出しを良くするために遅効性肥料を施す。(元肥)2~3回目 4~6月の間に速効性肥料を施す。(追肥)一回の施肥量はなるべく少なく、何回にも分けて施肥する方が有効です。 施肥は、芝生面にムラのないよう均一に散布するとともに、アプローチなどの舗装面に 散らばらないように注意してください。 肥料の流亡や雑草の肥料吸収を防ぐため、芝刈り・除草後に肥料を散布するとより効果的です。*注意: 雨が降った直後で葉が濡れているときは肥料が葉の面に付着して、肥料のやけを起こすので施肥作業を行わないでください。又、地表面が乾燥しきっているときにも、作業をしないでください。

(5)目土掛け

芝生に3~6㎜の厚さに薄く土をかける作業を目土といいます。目土の目的は、芝生の凸凹を直す、浮き上がった株を抑えるなどです。目土には雑草の種がまざっていない土を選びます。(山砂・川砂・除塩海砂)目土は一般的には春先の芝生が青くなるまでにしますが、その後も必要に応じて行って下さい。(夏場を除く)目土した後、肥料も与えると良いでしょう。

(6)芝生の病中害

芝生の病害には、サビ病・黄化病・ブラウンパッチなどがあり、外観を損ない、生育を低下させ、枯死させます。虫害には、線虫・ヨトウ虫・コガネムシ類などがあります。それぞれの対策については、弊社までお訊ねください。

(7)水やり

芝の水やりは、あまり多くしすぎると、雑草の発芽・侵入を助けたり、土壌の養分を流出させたり、病害虫の発生を促すなどの悪影響があるので、注意してください。水やりは特に夏の暑い時期は、なるべく早朝行ってください。水やりの量の目安は、6.0㍑/㎡です。

(8)エアレーション

エアレーションは、土壌の通気を良くし、芝の老化を防ぎ、水分の浸透を良くするために、芝生地に穴や、切れ込みを入れる作業です。エアレーションの時期は、コウライシバなどの場合、新芽の動き出す3~4月に行います。目土掛けの直前に行うと効果的です。エアレーションの方法は、スパイクを使って、回転によって、土中に差し込み土壌をえぐり取ります。(コアリングといいます)コア(穴)の深さは、7~10㎝程度、間隔は5~15㎝程度で芝生全面に、むらなく行ってください。

(9)ブラッシング

ブラッシングは、水平に伸びた芝生を立て、刈り込みの効率を高めたり、枯死した芝生を除去することで、芝生の更新を促すために行います。生育期間中、刈り込み前に行ってください。ブラッシングの方法は、レーキ、フォークなどを使って、芝生面をていねいに回数を多くひっかきます。発生した枯葉、枯茎は、すぐに処理し、ブラッシング跡は、きれいに清掃してください。

(1)清掃
屋上の漏水事故のほとんどは、ルーフドレイン(排水溝)の目詰まりで、屋上面がプール状態になり、防水層の立ち上がりを水が越えることによって起こっています。落ち葉や土壌、ビニール袋など、ルーフドレインを詰まらせる原因になるものは、こまめに清掃して取り除いてください。
(2)植物の管理
生育による樹木の大幅な重量増加は、建築構造にとって好ましいものではありません。ですから、地上よりもひんぱんに剪定をする必要があります。草花のローテーションに合わせた植え替え、生育に応じて、一回り大きな鉢への移し変えなども必要です。
(3)落下事故の防止
手すりの外側には、絶対に鉢を掛けてはいけません。格子構造(ラチス)の手すりでは、その隙間から物が落ちる場合があります。風の強い日には風にあおられて、屋上・ベランダから外に物が飛び出す場合もあるため、プラスチック皿など、軽くて飛散しやすいものは、収納しておいてください。又、吊り鉢などはベランダの端には吊るさないよう心がけてください。
(4)冬の寒さから植物を守るには
寒い日には、夕方、鉢をビニールで覆ったり、ダンボール箱を被せておき、日中は外すか、ビニールを半分以上まくりあげて、通風をしてください。園芸棚をすっぽり覆って、簡易温室にしてしまうのも良いでしょう。ただし、温度の上がりすぎ、通気性の悪化を防止するため、通気穴を必ず開けてください。

(5)日よけ・高温対策
夏場のベランダは強い直射日光に加え、エアコンからの熱風、コンクリートの蓄熱、照り返しなどで異常高温になり、夜になっても温度が下がりません。植物のある部分には、スダレや寒冷紗などを張り、日よけをしてください。他にも、アサガオやヘチマなどの一年性ツル植物を這わせると、やさしい日よけが作れます。
(6)屋上・ベランダの水やり
屋上・ベランダでは地下からの水分上昇がないため、そこにある土壌に保持されている水分が無くなってしまうと、枯れてしまいます。特にコンテナに植えられた植物は、短時間で水分が無くなってしまうため、常に様子を見て水やりをする必要があります。水やりは日をあけて、たっぷりとあげください。時間帯は、日中を避けて朝に行ってください。夕方に水やりすると植物の徒長を招くのですすめられません。特に冬場は夕方に水を与えると、針やプランターなどでは、四方から寒さが伝わり凍結を起こすおそれがあります。鉢やプランターなどでは、土の表面が完全に乾いてから、水が鉢底にあふれ出るまでたっぷりと与える事が基本です。乾き具合を見ずに毎日水を与えてはいけません。